「これって贈ってもいいのかな?」と迷ったときに

誕生日、結婚祝い、お見舞い、目上の方への贈り物——せっかく選んだギフトが、実は「縁起が悪い」とされるものだったら気まずいですよね。日本には古くから、贈り物の意味合いや語呂合わせにまつわる独特の慣習があります。

もちろん、すべてを厳密に守る必要はありません。ただ、相手や相手のご家族が伝統的な考え方を大切にするタイプかもしれない——そう思うと、知っておくだけで安心できることも多いはずです。この記事では、贈り物として避けられがちな代表的なNGアイテムと、その由来、注意したいシーンをまとめました。あわせて、意味づけを工夫すれば前向きな贈り物に変えられるヒントもご紹介します。

知っておきたい8つのNGアイテム

① 刃物 (包丁・ハサミ)

包丁やハサミなど刃物のギフトイメージ

包丁やハサミといった刃物は「縁を切る」ことを連想させるため、結婚祝いや新築祝いなど、末永いお付き合いを願う場面では避けたほうがよいとされる代表的なアイテムです。

一方で、近年は「未来を切り拓く」「新しい人生をスタートさせる」という前向きな意味合いで、あえて刃物を贈るケースも増えています。贈る際は「これから頑張ってね、という気持ちを込めて」といった一言を添えると、受け取る側も気持ちよく受け取りやすくなります。相手の考え方が分からない場合は、無理に選ばず別のアイテムを検討するのが無難です。

② ハンカチ (特に白)

ハンカチは漢字で書くと「手巾」となり、「手切れ」に通じることから、縁を切る意味を連想させるとされています。特に白いハンカチは、弔事で使われることが多いため、お祝いの場では避けたほうがよいという考え方が根強く残っています。

結婚祝いや送別のギフトで贈る場合は、白一色ではなく色や柄が入ったデザインを選ぶ、あるいはハンカチ単体ではなくタオルセットの一部として贈るなど、印象を和らげる工夫がおすすめです。

③ 櫛

櫛は「く」と「し」の語呂合わせから「苦」「死」を連想させるとして、贈り物として避けられてきたアイテムのひとつです。特にお祝いごとや目上の方への贈り物では注意したい品目です。

近年は語呂合わせを気にしない人も増えていますが、髪をとかす道具としての実用性は高いため、贈る際は髪飾りのようなヘアアクセサリーなど別のジャンルに置き換えると安心して選べます。

④ 割れ物 (食器・グラス)

食器やグラスなど割れ物のギフトイメージ

食器やグラスなどの割れ物は、「割れる」ことが「別れる」を連想させるとして、結婚祝いの定番タブーとされてきました。特に鏡や陶器製品は、伝統的な慣習を大切にする世代への贈り物では避けられる傾向にあります。

ただし現在では、引き出物や結婚祝いの定番として食器セットが選ばれることも多く、本人が「食器が欲しい」と希望している場合は問題ないとする考え方も広がっています。迷ったときは、事前にリクエストを確認したり、割れにくい素材を選んだりすると安心です。

⑤ 鉢植え

鉢植えの植物は「根付く」が「寝付く」に通じることから、お見舞いの贈り物としては避けるべきとされています。入院が長引くことを連想させてしまうためです。

お見舞いでは鉢植え以外にも、白い花や菊、香りの強い花、真っ赤な花などは弔事を連想させるとして避けられる傾向があります。お花を贈りたい場合は、切り花のアレンジメントを選び、色は淡いパステルカラーでまとめるのがおすすめです。新築祝いや開店祝いでは、逆に「根付く=繁栄する」という前向きな意味で鉢植えが好まれることもあるため、シーンによって受け取られ方が大きく変わる点も覚えておきたいポイントです。

⑥ 靴・靴下・下着

靴や靴下は「踏みつける」ことを連想させるため、目上の方への贈り物としては失礼にあたるとされています。特に上司や恩師への贈り物では避けたほうが無難です。

また、恋人への靴のプレゼントには「靴を履いて去っていってしまう」というジンクスがあり、別れを連想させると気にする方もいます。一方で「これから一緒に歩んでいこう」という前向きな意味を込めて、あえて靴を贈るカップルも少なくありません。ジンクスを気にするタイプかどうかを見極めたうえで、贈る理由をひとこと伝えられると安心です。

⑦ 現金・商品券

祝儀袋に入った現金や商品券のギフトイメージ

現金や商品券は、目上の方への贈り物としては「値段が分かってしまい失礼にあたる」とされることがあります。実用性が高く受け取る側も使い道に困らないというメリットがある一方で、フォーマルな場面や年配の方への贈り物では慎重に検討したいアイテムです。

同僚や友人など、フランクな間柄であれば気にせず喜ばれることも多いため、相手との関係性を踏まえて選ぶとよいでしょう。目上の方に贈りたい場合は、金額が直接分からないカタログギフトに置き換えるのもひとつの方法です。

⑧ 忌み数 (4・9)・偶数

数字の4は「死」、9は「苦」を連想させる忌み数として、贈り物の個数や金額では避けられる傾向にあります。特に結婚祝いなど慶事のご祝儀では、「割り切れる」偶数の金額も「別れ」を連想させるとして避けられてきました。

品物の個数を選べる場合は、3個や5個など奇数でまとめるのが安心です。ただし、ペアグッズのように「2」が「夫婦」「ペア」を意味する前向きな数字として好まれる場面もあるため、数字ひとつでも文脈によって受け取られ方が変わることを覚えておくとよいでしょう。

こんなアイテムにも気をつけたい

このほかにも、時計や鞄は目上の方に贈ると「もっと勤勉に働きなさい」という意味に取られることがあるため注意が必要です。また、新築祝いでは火を連想させるライターやキャンドル、赤色を基調としたアイテムは「火事」を連想させるとして避けられる傾向にあります。

現代の受け止め方 - 気にしすぎなくても大丈夫

ここまで紹介してきたNGアイテムは、いずれも長い歴史の中で生まれてきた慣習です。実際には、若い世代を中心に「そこまで気にしない」という声も増えており、絶対に守らなければならないルールというわけではありません。

大切なのは、相手が伝統的な考え方を大切にするタイプかどうかを見極めることです。判断に迷う場合は、次のようなポイントを意識してみてください。

  • 相手の年代や価値観を考慮する 年配の方や、しきたりを重んじるご家庭には、慎重に選ぶと安心です。
  • 前向きな意味づけを添える 「未来を切り拓く」「一緒に歩んでいく」など、贈る理由を言葉にして伝えると印象が変わります。
  • 本人の希望を確認する 割れ物や現金など、実用性の高いアイテムほど、事前にリクエストを聞いておくと失敗がありません。

まとめ - タブーを知ったうえで、前向きな贈り物を

最後に、贈り物のNGアイテムを選ぶ際に押さえておきたいポイントをまとめます。

  • 由来を知れば怖くない 刃物やハンカチ、割れ物などの多くは語呂合わせや象徴的な意味に由来しています。
  • シーンによって注意度が変わる 結婚祝い、お見舞い、目上の方への贈り物など、場面ごとに気をつけたいアイテムは異なります。
  • 前向きな意味づけで贈れるものも多い 刃物や靴のように、伝え方次第でポジティブな贈り物に変えられるアイテムもあります。
  • 迷ったら相手の価値観を優先する 伝統を大切にするタイプか、気にしないタイプかを見極めることが一番の近道です。

タブーを知ることは、相手を思いやる気持ちの表れでもあります。正しい知識を持ったうえで、自分らしい前向きな贈り物選びを楽しんでみてください。